和泉経済研究所

独立系証券アナリストという仕事

儲かる農業

農業に関しては全く門外漢ですが、農業分野に力を入れると宣言しているIT系企業が最近やたらと多いため気になっていたテーマです。本書「儲かる農業」は、私のような農業素人にも、刺激的な一冊でした。

この本には、脱サラし、義理の父から受け継いだ産地業者を、農業生産から農産物の直販までを行う垂直統合型農業生産法人に育て上げた著者の体験が綴られており、日本の農業問題(後継者・経営者不足、大規模化の遅れ、マーケティング力の欠如など)の実態やそれに対する解決策が示されています。

10年単位で考えれば、高齢者農家は、確実に減少に向かうため、農水省もJAも、これまでの政策を改め、若い経営感覚を持った農業生産法人を支援する方向に向かうことは不可避であり、そこから農業ITの方向性が見えてきそうです。日本の農業生産高は減少傾向にあるとはいえ、8兆円強(日本の半導体市場の約2倍)、加工などの6次産業分野まで含めれば90兆円もある巨大な産業です。頭を柔らかくして向き合うべきテーマだと感じました。

儲かる農業―「ど素人集団」の農業革命 (竹書房新書)

儲かる農業―「ど素人集団」の農業革命 (竹書房新書)