「不本意な敗戦」 なにが不本意だったのか
- 作者: 坂本幸雄
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2013/10/08
- メディア: 単行本
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突然の会社更生法の申請から1年半。ようやく、坂本さんの肉声で、どうしてあのような結末になったかが語られました。現在のエルピーダは、二次破たんを回避できたどころか、モバイルDRAMの活況で、空前の利益を上げているとのこと。
この好況局面があともう少し早く訪れて入れば、あの時の金融機関の対応がもう少し寛容なものであれば、倒産は避けられたはずということは誰でも言えること。坂本さんは、自身を相対化し、メインバンクを作れなかったことや、コミュニケーション不足を反省するのみ。一方で、破たん後の従業員の働きを讃えます。
ゾンビになって延命するのではなく、会社更生法を活用して会社を再建することや、破綻からの再出発というターンアラウンドを認めることが市場経済の活性化(新陳代謝)に結びつく。超好意的に捉えれば、坂本さんの言いたいことはこういうことになるかもしれません。でも、なぜ、“不本意”なんだろう? ご自身に対して? 日本の金融関係者、政府関係者に対して? それはわかりませんが、日本の金融関係者であった筆者も、あの結末は不本意でした。役立たずの株式市場でした。一年後の空前の利益も予想できなかった訳ですから。
坂本さん、お疲れ様でした。