永遠の0
7月17日の朝日新聞に元自民党幹事長の野中広務氏のインタビューがでていたが、そこで、この本について、本と映画で二回泣いたが、百田氏が安倍シンパであることを知って怒ったといった内容が述べられていた。
私の父は野中氏の3才下であるが、予科練に行った父も全く同じようなことを言っていたような気がする。
本の内容は軍部批判が多く、戦争賛美色は全くない。だが、百田氏は一部からは保守反動、右翼として捉えられているようだ。このギャップはなんだ?
元海軍中尉の「武田貴則」が百田氏が最も伝えたい対象なのかもしれないと感ずる。
そこを隠し、多様性を認めた作品として仕上げたことが、彼の姑息さであり才能と理解すれば納得がいく。
百田氏は放送作家だけあり、幅広い読者層を取り込むことに長けていることに注意が必要(だから本屋大賞も取れたのだろう)。
とはいえ、私は、右か左か、愛国か反日か、といったイデオロギーには、全く興味がない。そうした「感情」はどちらも理解できるがそれを大声で公に議論することには強い躊躇いがある。
政治がいつも、そこで逡巡してしまうことがこの国の不幸。
より多く議論すべきことは、イデオロギーではなく、政府の役割(大きいか小さいか)、競争のありかた(自由か管理か)なのだか。
私は平和ボケなのだろうか。
- 作者: 百田尚樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/07/15
- メディア: 文庫
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