水素チェーン
少し前の話ですが、二次電池・水素・燃料電池展(FC EXPO 2014 ~第10回 [国際] 水素・燃料電池展~)での気づきについて書きます。
会場は大賑わいでした。「スマホにはもう新機能はいいから電池をなんとかしてよ」という声を反映しているのか、再生可能エネルギーの普及に伴う蓄電のニーズの高まりか、あるいは電気自動車。いずれにせよ、ホットな業界なようです。
最も面白かったのは、電池展に併設されていた水素・燃料電池展でのNEDOブースにおける川崎重工の方によるプレゼンでした。
- 川崎重工は、燃料自動車そのものを作るのではなく、その燃料である水槽の供給インフラを提供するとのこと。 水素を安く仕入れることが肝になるが、
①オーストラリアの『褐炭』(発熱量の小さい褐炭は低品位炭:埋蔵量はとても豊富。水分を多く含むため輸送に適さず、乾燥すると自然発火しやすく扱いが面倒なためほとんど市場化さておらず、とても安価)を活用し水素を精製し、副産物のCO2は地中に埋め、水素は川重の液化水素輸送用タンカーで日本に送る、
②ソビエト時代に作られたロシアの余剰水力発電設備での電気を使い電気分解で水素を作る、
③鹿児島と種子島の中間にある『薩摩硫黄島』の地熱発電で水素を精製し、本土に送る、
などに取り組んでいるという。
なんというスケールの大きさ。これを見てしまうと、ソーラーやスマグリがちチマチマしたものに感じられてしまいますが、川重では、ソーラーの余剰電力で水素を精製し、それを夜間に水素発電で活用する水素発電と連携したスマグリも検討していました。水素に注目ですね。