「同志社大学神学部」 佐藤優氏の原点と私との接点
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2012/11/17
- メディア: 単行本
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佐藤氏は元外務省官僚で、鈴木宗男元議員の疑獄による連座で投獄された経歴を持つ作家。
外務省時代のインテリジェンス、つまりスパイとしての経験に基づいた世界情勢の分析は、ビジネスパーソンの発想をいつも覚醒してくれる。私には、国内最大手の投資運用会社のアナリストが、上司から「情報分析を行う者の作法や心得」を習得するため、佐藤氏の書籍を読むようにと指示されたと話していた記憶もある。
本書は、佐藤氏の大学及び大学院時代の回顧録であるが、官僚から作家への転身が、実は予定調和であったのではないか?という仮説をもたらす。
もちろん、現在の佐藤氏は、神学論者でも、牧師でもないが。逮捕、拘留という、非日常体験を乗り越えられたのも、もちろん、インテリジェンスとしての訓練が一因であった可能性があるが、それ以上に「同志社大学神学部」での体験が大きかったことが、本書からは感じ取れる。
私は、佐藤氏を個人的には存じ上げないし、また、人脈を自慢する趣味もないが、私は佐藤氏と同じく1979年に同社大学文学部文化学科哲学倫社専攻に入学。卒業名簿にも佐藤氏の名前があった。本書にでてくるクラウス・シュペネマン教授はゼミの担任だったが、佐藤氏が大学院時代に様々なアドバイスを受けたことを本書を読んで初めて知った。
佐藤氏は、外務省行きを教授から最後まで反対され、就職決定後は、「世の中に役に立つことをしなさい」という言葉をもらったという。また、作家になって有名になった後は、シュペネマン先生の「男の子の躾け方」の文庫本の帯い推薦のコメントと解説を書いている。
私は、なんと言われたか、覚えていないし、卒業後も一度も母校には行っていないが、佐藤氏の律儀さに感服したと同時に自分のいいかげんさを反省した。
- 作者: クラウスシュペネマン,Klaus Spennemann
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/11/11
- メディア: 文庫
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