和泉経済研究所

独立系証券アナリストという仕事

ハイパーカミオカンデ

3日連続のノーベル賞受賞ニュースはなかったものの、相変わらず話題のテーマである。

今朝のニュースでは、梶田博士のニュートリノ研究に関連し、次はハイパーカミオカンデとよばれる施設の建設が進んでいることが報じられている。

総工費は約800億円、2025年稼働開始とのことだ。

この工事費について、あるテレビの司会者は、「税金からでしょ、意味あるんでしょうか?」と。

コメンテータの答えは「国立競技場よりは意味があるでしょう、社会の役に立つし」。


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ニュートリノ研究は基礎研究。一方、ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村博士の研究は応用研究。どちらがROICが高いかは、時間軸によるが、一般的には応用研究のほうが高い。

だが、世の中の役に立つか?という視点では、甲乙がつけがたい。

両博士とも「世の中のためになりたい」と記者会見で何度もコメントされた。

このため、テレビを観ると子供たちも「世の中のためになりたい」と言い出した。これはとても良いことだ。

さて、800億円は意味があるか? あると思う。だが、国だけではなく、企業や、クラウドファウンディングの活用から個人からも広くあまねく資金を集めることも必要だろう。そのためには、何故、この研究が役に立つかを、もっとわかりやすく、積極的に発信していくことだろう。そうした情報交流が、さらに、世の中を面白くするに違いない。