日経のオバマさん 『私の履歴書 反骨の言論人』
本書は戦前生まれの言論人の『私の履歴書』がまとめられている。
長谷川如是閑 1875年生まれ。朝日新聞を経て雑誌『我等』を創刊。
小汀(おばま)利得 1889年生まれ 中外商業新報社(現日本経済新聞)社長
皆さん、反骨の言論人です。読み進めて感じたのは、戦前の日本というのは、戦争期を除くと、意外に自由な日本だったということ。大きな断層があると感じてしまうが、実は、それほど変わっていないのではないかとも感ずる。特に大正時代は、相当、リベラルだったことが解る。それから、デフレにも苦しんでいたことが。このあたりは、もう少し、勉強する必要がるが。
「日米両国がともに金穂に性を採用している時に、日本になんらかの理由で金が増えたとする。そうすると日本では通貨が膨張して物価が上がる(貨幣価値が下がる)。日本で物価が上がるとアメリカから日本への物資の輸出が増える。アメリカはどうなるかというと、物資を日本に売った代金として日本から金を引き上げることになる。。。日本で金は減り、物の供給が増えるため物価は下がる」。
これが理想だが、現実は、欧米の一部に金が溜まってしまい、日本の物価は低落の一途だったという。オバマさんのキャンペーンが実り、金本位制はなくなりましたが、日本は戦争に突入してしまい、結果はご承知のとおり。だが、戦前の日経は気骨があったこと確かだ。
「1960生まれ」の3人から勝手に刺激をもらう
世代論は好きではないですが、3人とも私と同じ1960年生まれ。1960年の首相は今の安倍総理の祖父、岸信介、55年体制発足から5年目。子供の頃の写真は全員白黒のはずだ。どうでもいいことだが、ちなみに今は55年体制が崩壊した1993年から21年目だ。なんとなく豊かになり、いつのまにか停滞し、最近、没落、堕落、腐敗が心配になりだしている。
3人に相互の接点は全く無いと思われ、思考スタイル全く異なるが、世界の相対化の作法に同じ匂いを感じる。ミニ大前研一という感じか。おじさんだが、まだ、ぼけていないし、柔軟、戦ってもいる。
続く。
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
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- 作者: 山口正洋
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- 作者: 冨山和彦
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冨山 和彦(とやま かずひこ、1960年(昭和35年) - )は、日本の経営コンサルタント、経営者である。株式会社経営共創基盤代表取締役CEO。
「同志社大学神学部」 佐藤優氏の原点と私との接点
- 作者: 佐藤優
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佐藤氏は元外務省官僚で、鈴木宗男元議員の疑獄による連座で投獄された経歴を持つ作家。
外務省時代のインテリジェンス、つまりスパイとしての経験に基づいた世界情勢の分析は、ビジネスパーソンの発想をいつも覚醒してくれる。私には、国内最大手の投資運用会社のアナリストが、上司から「情報分析を行う者の作法や心得」を習得するため、佐藤氏の書籍を読むようにと指示されたと話していた記憶もある。
本書は、佐藤氏の大学及び大学院時代の回顧録であるが、官僚から作家への転身が、実は予定調和であったのではないか?という仮説をもたらす。
もちろん、現在の佐藤氏は、神学論者でも、牧師でもないが。逮捕、拘留という、非日常体験を乗り越えられたのも、もちろん、インテリジェンスとしての訓練が一因であった可能性があるが、それ以上に「同志社大学神学部」での体験が大きかったことが、本書からは感じ取れる。
私は、佐藤氏を個人的には存じ上げないし、また、人脈を自慢する趣味もないが、私は佐藤氏と同じく1979年に同社大学文学部文化学科哲学倫社専攻に入学。卒業名簿にも佐藤氏の名前があった。本書にでてくるクラウス・シュペネマン教授はゼミの担任だったが、佐藤氏が大学院時代に様々なアドバイスを受けたことを本書を読んで初めて知った。
佐藤氏は、外務省行きを教授から最後まで反対され、就職決定後は、「世の中に役に立つことをしなさい」という言葉をもらったという。また、作家になって有名になった後は、シュペネマン先生の「男の子の躾け方」の文庫本の帯い推薦のコメントと解説を書いている。
私は、なんと言われたか、覚えていないし、卒業後も一度も母校には行っていないが、佐藤氏の律儀さに感服したと同時に自分のいいかげんさを反省した。
- 作者: クラウスシュペネマン,Klaus Spennemann
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「坂本龍馬と北海道」
- 作者: 原口泉
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1866年、日本で初めて「新婚旅行」に行ったとされる龍馬とおりょう夫妻。
目的地は鹿児島の霧島温泉。ただ、日程は3月から6月まで約3か月間にもわたり、ハネムーンだけだとすると長すぎる。
原口先生によると、龍馬は薩摩藩にあった北海道関連の資料を読み漁っていたのではないかとのこと。薩摩藩は琉球貿易に続き、北海道でも権益拡大を狙ており、情報が蓄積されていたためである。
池田屋事件により、龍馬の北海道行きの夢は実現しなかったが。
発想と行動力は比例するということか。
いつか、函館にある「北海道坂本龍馬記念館」に行って見たい。
「2015年株式投資テーマ」作者: 個人投資家向け経済メディアLongine Kindle版
2015年株式投資テーマと注目銘柄がすぐわかる業界別解説 (Navigator Platform Publishing)
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値段は約2ドル、216円です。既に有料会員の方は、サイトのほうで掲載されていますのでお買い求めいただく必要はないですが、そうでない方で、来年のテーマについて、ご興味ある方は是非! まずは、浄財、お布施の感覚でw
「世界を巻き込む」 構想力に敬服
世界を巻き込む。――誰も思いつかなかった「しくみ」で問題を解決するコペルニクの挑戦
- 作者: 中村俊裕
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2014/02/28
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エボラ熱問題の根源は、非衛生な水環境にあり、その解決のためにはここに書かれているようなボトムからの活動が最重要だと感じる。
本書は、米系コンサルファーム、国連を経て、「コペルニクス」という非営利組織、ビジネスモデルを立ち上げた経緯が描かれているが、この論理的な思考、構想力には敬服する。
「新規事業室長を命ず」 失敗することの大切さ
- 作者: 久慈毅
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 1998/10
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作者の久慈毅は、伊藤忠を経てクアルコムジャパンの社長を長く勤められた松本徹三氏のペンネーム。
出版は1998年。まだ、「失われた10年、20年」という言葉が生まれる前だと思うが、不思議と時間を感じさせない内容。
アメリカのベンチャー企業での修羅場、失意の中での仙台暮らし、失敗の経験を買われての「新規事業部長」への就任と、そこでの様々な新規事業の育成という構成が素晴らしい。
大企業が外部や内部のベンチャーに出資したり、連携を奨励する動きが増えているが、本書には、「なぜベンチャー投資なのか」という問いに対するヒントが隠されている。
大企業で働くエリートは何事につけても、まずは「それが組織内部でどのような意味をもつか」を考え、社内で注目を浴びるに足る「大きな絵」を描きたがる。これに対して、実際にベンチャー的な事業を成功させた人たちは、もちろんそんなことは考えず、本能的なものに衝き上げられるようにして動く。「なぜこんなサービスがないんだ?」という疑問や「こんなものを作れば売れるぞ」という信念だ。
キャッシュが積み上がりつつある日本企業の多くは、再び「新規事業」の事業化が優先課題になっているが、そこには本書の主人公「上村瞭三」のような人材がどれだけいるだろうか?